ファイルNo.10 ハドスン夫人はTCGプレーヤー?
プロローグ
ワトソン:マダム、僕はマーイーカをカラマネロに進化させるよ。
ハドスン:大丈夫よ。
ワトソン:さらにベンチのメッソンをジメレオンに進化させて特性うらこうさくを使うよ。
ハドスン:大丈夫よ。
ワトソン:持ってきたハイパーボールを使って、オクタンを手札に持ってくるよ。
ハドスン:大丈夫よ。
ワトソン:あのさぁ、マダム。
ハドスン:どうされたの、博士?
ワトソン:なぜ、僕のプレイにいちいち「大丈夫」って返事をするんだい?
ホームズ:それはハドスン女史が遊戯王のプレイヤーであることが関係しているかもしれないね!
ワトソン:うわぁ、ホームズどこから出てきたんだい!?
ホームズ:ワトソン君、確かに女性は君の領分だがカードゲームは私の領分だ。君の疑問の答えが私の領分の中にあるとしたら答えるのが紳士的な振る舞いというべきだよ。
ハドスン:まぁシャーロックさん。確かに私は遊戯王カードを嗜みますし、ポケモンカードは初心者ですけれど、先ほどのプレイに何か問題がありましたか?
ホームズ:いえいえ、何も問題はありませんよマダム。ただ、わが友は疑問に思ってしまったのですよ。あなたの丁寧すぎるプレイが。
ハドスン:私、何かご無礼になるようなプレイングをしたかしら。
ホームズ:カードゲームにはそれぞれ自分の番に行えることが決まっている。ただし、例外として一部のカードゲームでは相手の番でもプレイを行えてしまう場合があるんだ。遊戯王はその典型で罠カードや速攻魔法カード、一部のモンスター効果は相手の番で使うことを軸に考えられている。
ハドスン:確かにその通りですわ。遊戯王カードでは自分の番と相手の番の境界があいまいなところがあります。
ワトソン:でもシャーロックそれがマダムが「大丈夫です」を連呼したことと何か関係があるのかい。
ホームズ:あるとも。遊戯王ではポケモンカードと違って、自分の番に相手が行動してくることが普通なんだ。だから、自分のプレイや相手のプレイの後に、「私は何も行動することはありません」、「そのまま続けてもらって大丈夫です」の意味を込めて一言声をかける人が多いんだ。ポケモンカードでも、博士の研究で7枚引いた後などに相手に枚数の確認を求めることはあるけれど、確認の回数は圧倒的に遊戯王や他のTCG(トレーディングカードゲーム)の方がポケモンカードよりも多い傾向にあるんだよ。
ワトソン:なるほど。ハドスン夫人が確認を多くしていたのはそういう事情があったのか。
ホームズ:慣れていないポケモンカードプレイヤーの人は確認が過剰に感じることがあるかもしれないけれど、丁寧にプレイしてもらえているんだと捉えよう。
ハドスン:最近は私のように他のTCGからポケモンカードを始める人も増えているので、受け入れてもらえると嬉しいですね。
ホームズ:ポケモンカードは相手の番はおろか相手の盤面に介入するカードも少ないから注意が必要だね。
Mr.ホームズからの挑戦状
【Mr.ホームズからの挑戦状】
相手に干渉しないカードは次のうちどれ?
A. こだわりベルト
B. マリィ
C. ジャッジマン
D. クラッシュハンマー
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挑戦状の答え
【挑戦状の答え】
A. こだわりベルト
まとめ
ホームズ:自分の番に使うカードしかないとはいえ、相手に干渉するカードは珍しい。特に手札に干渉するマリィやジャッジマンは貴重だ。クラッシュハンマーは場に干渉するカードだ。一方こだわりベルトは自分のポケモンに影響を与えるカードで、ダメージ計算の時も自分のポケモンにかかっている効果として処理される。相手に干渉しないカードの1枚だ。
ワトソン:ポケモンカードは対戦相手がいて初めて成り立つ遊びだから、対戦相手の人の事情にも寛容でないといけないんだね。
ハドスン:私もこれからどんどんポケモンカードを楽しんでいきたいわ。皆さんよろしくね。
ホームズ:諸君、遊んでいるカードが違っても、同じ場所や空間を共有するプレイヤー同士だ。もしかしたら将来、同じカードで遊ぶことになるかもしれない。お互い紳士的に楽しみたいものだね。