進撃のレジギガス
はじめに
6月11日(土)・12日(日)に「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」(「PJCS2022」) が開催されました。
多くのプレイヤーが鎬を削る戦いを繰り広げましたが、マスターリーグで頂点に立ったデッキはレジギガスでした。
今回はそんなレジギガスデッキの戦い方を見て行こうと思います。
レジギガスについて
レジギガスデッキのキーカードは何枚かありますが、まずはその名前の由来になっているレジギガスを見て行きましょう。
レジギガスは無色エネルギー5つを要求するギガントブレイクを持つ、重たいポケモンですがVMAXポケモン相手ならこだわりベルト込みで330ダメージを出すことができます。
非ルールポケモンながらVMAXポケモンを一撃で沈めてしまう様は驚きです。
しかしその真価は、特性こだいのえいちにあります。この特性はレジロック、レジアイス、レジスチル、レジエレキ、レジドラゴが自分の場にいる時、トラッシュからエネルギー3枚を自分のポケモンにつけるというものです。
特殊エネルギーもつけられる特性であるため、要求されるエネルギーが多く、エネルギーの色が多岐に渡るレジ系ポケモンを多く採用するこのデッキと相性が良いことが分かります。
この特性の発動にはレジ系ポケモン5体を1体ずつ並べるという重い条件が課されますが、この条件をクリアさえしていれば、1ターンに同名特性の発動制限がないため、回収ネットなどで複数回エネルギーをつけるという芸当も可能です。
レジギガス自体はアタッカーとしての運用よりもサポーターとしての運用の方が多いように感じられます。
レジドラゴについて
続いて見て行くのはレジドラゴです。
レジドラゴは3エネを要求するワザでこだわりベルト込み190ダメージを出すことができますが、注目すべきはその特性です。
特性りゅうのひほうは自分の手札が4枚になるように山札を引く特性です。
ビーダルのはたらくまえばに似た特性ですが、制限として同名の特性を1ターンに1度しか使えません。
しかし、コンボ色の強いデッキには汎用性のあるポケモンは入れにくいため、ポケモンで山札を引いていけるカードは貴重です。
レジギガスデッキでは、場にポケモンを展開することと、レジギガスで回収するエネルギーをトラッシュに落とすために、博士の研究がフルで使われることが多いです。
それでも必要パーツが多いレジギガスデッキでは、とにかく序盤から山札を回していきたいため、サポートだけでは足りない分をレジドラゴによって補っているのです。
また上級者のデッキではレジドラゴの特性で引ける枚数を増やすために、エネルギーの枚数を絞ったり、ポケモンの枚数を絞ったりと、特性の効果が最大限に表れるように工夫が施されています。
レジエレキについて
レジエレキはオリジンパルキアVSATRの弱点を突けるため、バトル場を攻撃する能力の高いテラスパークのものが用いられることが多いです。
こだわりベルト込みの弱点で300ダメージを叩き出せるため、多くのレジギガスデッキで採用されています。
オリジンパルキアVSTARを何らかの方法で突破することが今回の大会では必須項目だったため、弱点を突くという形でレジギガスデッキはこれに挑みました。
レジアイスについて
レジアイスはワザ、ブリザードバインドでVポケモンの行動を1ターン遅らせることができます。
特に有用なのはジュラルドンVMAXが単独でバトル場に居座る状況です。
相手はブリザードバーンを打たれると行動することができなくなるので、ライブラリアウトを狙うこともできます。
レジロックについて
レジロックはアルセウスVSTARの弱点を突き1撃で倒すことができてしまいます。 またミルタンク対策にもなります。
レジスチルについて
レジスチルはあまり弱点を突くことがありませんが、にげるエネルギーの少ないミュウVデッキに対して強く出られる利点があります。
まとめ
このデッキは複数のタイプを切り替えながら戦うのでオーロラエネルギーが非常に重要になってきます。
構築もオーロラエネルギーが軸になることが多いです。
今回のレジギガスデッキのように公式がこういったテーマで戦ってほしいと提示するコンボデッキを、コンセプトデッキと呼びます。
構築の幅が比較的狭く自由度が低い代わりに、ある程度強力です。
今回のレジギガスデッキの優勝はこうした構築の制限を乗り越えて、自由な発想で公式から提示されたコンセプトを、それ以上のものに昇華した結果といえるでしょう。
レジギガスデッキ、皆さんも使ってみませんか?