ファイルNo.5 スタジアムは枚数よりも物を言う
プロローグ
ホームズ:探偵という仕事はあちこち旅行ができていいなぁと羨ましがられるけれど、決してそんなことはない。なぜなら、僕の行く先では必ず事件が起きるからね。
ワトソン:……なにを黄昏れているんだ、シャーロック。君の番だよ!
ホームズ:僕の手札は尽きてしまったんだ。番を終わるよ。
ワトソン:なにを言っているんだい、シャーロック。君が最後に出したのは「クロバットV」のカードじゃないか。特性ナイトアセットで手札を補給すればいいじゃないか。
ホームズ:それはできないんだ。僕が場に出した「頂への雪道」はルールを持つポケモン(GXポケモンやVポケモンなど)の特性を無効にするんだ。
ワトソン:そんな!自分が出したカードなのにかい!
ホームズ:うっかりしていたよ。
ワトソン:みんなもシャーロックのようなミスをしてしまったことがある人は、多いんじゃないかな。
ホームズ:普段はミスをするのはワトソン君の担当なのだけれどね。
ワトソン:たまにはこういう回があってもいいじゃないか。それより、「頂への雪道」をはじめとしたスタジアムカードの特徴を教えてくれよ。
ホームズ:いいだろう。ではクイズだ。
Mr.ホームズからの挑戦状
【挑戦状】
スタジアムをトラッシュする方法として正しくないのはどれかな?
A. サポート「アスナ」を使う
B. バケッチャをベンチに出し特性「かぼちゃのあな」を使う
C. グレイシアVのワザ「ホワイトアウト」を使う
D.同じ名前のスタジアムを場に出す
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挑戦状の答え
【答え】
D. 同じ名前のスタジアムを場に出す
ホームズ:選択肢A.B.C.は全て正しい。スタジアムは「別の名前のスタジアムを場に出す」か、特定のポケモンのワザ、特性、トレーナーズの効果によってしかトラッシュできない。現状のレギュレーションの中だと特定のワザを持つポケモンやトレーナーズは少ないので、ほぼスタジアムはスタジアムで張り替えるしか塗り替えることができないんだ。
ワトソン:中にはスタジアムがあるだけでパワーアップするポケモンもいるけど、基本的にはスタジアムは特定のポケモンだけに恩恵を与えるような気がしているよ。
ホームズ:良いところに気が付いたね。張替えにくく特定のポケモンだけに有利な環境を作り出すのがスタジアムの根幹だ。代表的なところでは草タイプ優遇の「ターフスタジアム」、炎タイプ優遇の「マグマの滝壺」、雷・竜タイプ優遇の「嵐の山脈」、雷・鋼タイプ優遇の「結晶の洞窟」、超タイプ優遇の「いにしえの墓地」、いちげきポケモン優遇の「あくの塔」、れんげきポケモン優遇の「みずの塔」が挙げられる。これらは特定のデッキに採用して、自分だけスタジアムの恩恵を受けるように運用するのが基本になるだろう。
ワトソン:逆に「トレーニングコート」や「ローズタワー」はお互いに恩恵を与えるから、相手よりも積極的に利用してから、自分でスタジアムを上書きするのもありかな。
ホームズ:自分からスタジアムを張り替えられるよう準備しておくのはいい戦術だ。スタジアムを2種類採用しているデッキも少数だが存在するよ。特にタイプによる恩恵を受けにくいデッキでは重要になってくるよ。
ワトソン:「頂への雪道」や「ガラル鉱山」、「崩れたスタジアム」のように動きを制限してくるスタジアムへの有効打にもなるしね。
ホームズ:アスナやバケッチャもその場合は選択肢になるだろう。
まとめ
ホームズ:スタジアムは1ターンに1度しか場に出すことができないうえに、同じ名前のスタジアムが場に出ている場合は重ねて場に出すことはできないカードだ。
ワトソン:こう聞くとポケモンカードの中でもかなり特殊な立ち位置のカードだよね。
ホームズ:スタジアムが採用されるのは4枚程度が多いが、場を作るカードとしてのスタジアムの役割は時に枚数以上に重いものになるだろう。
ワトソン:これでポケモンカードの基本となる手張り、サポート、にげる、スタジアムについては見てきたんだよね。
ホームズ:ああそうだとも。途中レギュレーション変更があって大変だったが、次からはより細かいテーマを見て行こう!