ファイルNo.9 圧縮ってなーに?
プロローグ
ワトソン:じゃあ僕の番だね。
ホームズ:どうぞ、ワトソン君。この番君のこくばバドレックスVMAXが僕のアルセウスVSTARを倒せなければ、君の勝利は絶望的だね。
ワトソン:わかっているとも。見てろよホームズ、あと1枚こくばバドレックスVMAXにエネルギーが付けばアルセウスVSTARのHP280に届くんだからな。
ワトソン:(僕の山札にはエネルギーカードがあと1枚入っている。番の初めに1枚引いたけどそのカードは博士の研究だった。山札は残り8枚。つまり博士の研究を使えば、87%以上の確率で僕の勝ちだ!)
ホームズ:さて、作戦は決まったかな?
ワトソン:もちろんだとも、僕は博士の研究で手札をすべてトラッシュ。新しく山札を7枚引いて手札にする。1、2、3、4、5、6、7……そんな、引けなかった……
ホームズ:どうやらエネルギーを引くことに失敗してしまったようだね。
ワトソン:そんな、8割以上の確率で僕の勝ちだったはずなのに……
ホームズ:それはどうかな。もしかしたら100%君の勝ちだったかもしれないよ。博士の研究でトラッシュしたカードと君の今の手札を比べてみよう。
Mr.ホームズからの挑戦状
【Mr.ホームズからの挑戦状】
ワトソン君が博士の研究でトラッシュしたカードと、新たに手札にしたカードを見比べて、彼が博士の研究を使う前に使うべきだったカードを考えよう。
〈トラッシュしたカード〉
・しんかのおこう
・クイックボール
・ボスの指令
・エルフーンVSTAR
〈新たに手札にしたカード〉
・ハイパーボール
・こくばバドレックスV
・英雄のメダル
・マリィ
・ふつうのつりざお
・ふうせん
・ポケモンいれかえ
博士の研究を使う前に使うべきだったカードは?
A. しんかのおこう
B. クイックボール
C. ボスの指令
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挑戦状の答え
【挑戦状の答え】
B. クイックボール
まとめ
ホームズ:今回の問題は些か複雑だったかな。
ワトソン:僕にはなにがなんだか。そもそも僕が博士の研究の前に何かカードをプレイしていたら結果は変わったのかい?
ホームズ:今回は勝敗に関わる非常に大きな点が変化していたね。君がクイックボールをプレイしてたねポケモンであるこくばバドレックスVを手札に加えた後、博士の研究を使っていたらどうなっただろう。
ワトソン:そんなことしても結果は変わらな……あっ。
ホームズ:気づいたようだね。こくばバドレックスVが山札から減っているから、この時点で君の山札は7枚になっているんだ。つまり本来なら山札の8枚目に置かれていて、手札に加わることはなかったエネルギーカードも、プレイング次第で手札に加えることができていたんだ。さっきの番君は100%勝利していたのだよ。
ワトソン:そんな馬鹿な。
ホームズ:俗にこういうテクニックを圧縮と呼ぶんだ。ポケモンカードの山札は60枚もあるから1度の対戦で全てのカードに触るのは至難だ。そこで、不要なカードを山札から抜き取り、通常のドローやサポートの効果によって手札に欲しいカードを呼び込みやすくするプレイングが圧縮と呼ばれるんだ。
ワトソン:全然知らなかった。
ホームズ:何気なくやっている普通のドローもボール系カードをたくさん使って、山札のポケモンの比率を下げてから行った方が質の良いドローが期待できるのだよ。
ワトソン:でもそんなにボール系カードを一気に使ったらデメリットはないの?
ホームズ:場合によってはマリィなどで手札を山札に戻されたときに再度ポケモンを手札に持ってきにくくなるというデメリットはあるね。それでも今のポケモンカードはテンポが速いから、デメリットよりも好きなカードに早く触ることを優先しているデッキが多いんだ。
ワトソン:ボール系カードがたくさん採用されているのはそういった側面もあるんだね。
ホームズ:圧縮には単純に山札を上から引いていくことを含む場合がある。特性やりくりのチラチーノ、特性しゅんそくのスイクンV、新カードのガッツのつるはしなんかも圧縮カードに分類されることがあるよ。特に圧縮系のグッズは自分の番に何回でも使えることから、4枚採用することを前提に山札を56枚にするなんて揶揄されることもあるよ。
ワトソン:比喩表現にしてもパンチのある言い方だね。
ホームズ:圧縮をはじめプレイングの話題は意見が分かれることもあるけれど、今回は1意見として圧縮を肯定的に紹介してみたよ。
ワトソン:僕も1度試してみよう。