人気カードのそのわけ2
はじめに
前回(人気カードのそのわけ)は人気カードを分類別に何枚かご紹介しました。
今回はより具体的にカードを絞ってお話していきたいと思います。
まずはこのカードをご覧ください。タッツーです。
カードを比べてみよう
このカードは何の変哲もないノーマルカードですが、買取金額はフルアヘッドで100円もします。
またフリマサイトなどではさらに高値で取引されています。
これはタッツーのカードに共通することではなく、このみずでっぽうのワザを持つタッツーに特有のことです。
では、他のタッツーのカードとなにが違うのか。実際にカードを並べて見て行きましょう。
スタンダートレギュレーションで使えるタッツーのカードは現在3種類あります。
残り2種はこちらです。
この2種のタッツーは買取価格がつかなかったり、ついても1円、2円という値段です。
なぜこんなに差がつくのでしょうか。
カード性能を比べてみよう
まずは3枚のタッツーのワザに注目してみましょう。
みずでっぽうのタッツーも他の2枚も、1エネルギーで10ダメージを出すことは共通していますが、他の2枚は追加効果が書かれています。
しかし、タッツーがワザを使うことは稀であり、ここでの差は大きなものではないようです。
次にHPを見てみましょう。
タッツーのカードは同じポケモンのカードには珍しく、HPに開きがあります。HP60からHP40ですが、ここでもみずでっぽうのタッツーはHP40と最低値となっています。
タッツーは進化することが前提のポケモンであるため、ここも重要視されなかったようです。
では、今度はにげるエネルギーの数を見て行きましょう。
ここで大きな差が見られました。
ぎゃくふんしゃのタッツーとえんまくのタッツーはにげるエネルギーが1つであるのに対して、みずでっぽうのタッツーはにげるエネルギーがありません。
ポケモンカードにおいてにげるエネルギーがないことの重要性は、同じくにげるエネルギーをなくすポケモンのどうぐ、ふうせんが採用されているデッキの数からも明らかです。
バトル場でしか特性が使えないミュウのようなカードの活躍を下支えすることもできますし、味方のポケモンがきぜつしたときにとりあえずバトル場に出すこともできます。
このようににげるエネルギーがないことは、他の不利な要素をひっくるめてもなお優先される大きな利点になるのです。
進化先を見てみよう
タッツーは当然進化して使われるわけですが、進化先が全く使えない状態では、当然ながらタッツーのカードに需要は生まれません。
みずでっぽうのタッツーがいかに他のタッツーより優秀でも進化先に需要がなければお声はかからず、値段が上がることもないのです。
その点タッツーの進化先であるキングドラは、どちらも特徴的な特性をもっており、メジャーではないものの唯一無二の活躍が期待できるカードです。
また中間進化のシードラもワザきままにおよぐを持っていることから、ケイコウオの特性うみのばんそうの効果を受けられます。
きままにおよぐデッキに採用が期待できるカードです。
まとめ
ここまでタッツー自身の他のタッツーに比べた優秀さ、進化先の多彩さを見てきました。
これだけだとタッツーがノーマルカードにしては異様な値上がりをした理由にはなりません。
みずでっぽうのタッツーはタッツーを使う上では最適解となることはここまででお伝えしてきました。
しかし、そのみずでっぽうのタッツーは2020年12月4日に発売されたスターターセットVMAX カメックスに1枚しか収録されていないのです。
つまり前回(人気カードのそのわけ)お話しした2番、限定カード、絶版になった構築済みデッキのカードに当てはまるのです。
タッツーを例にお話してきましたが、進化先が優秀という理由で需要があり、入手手段が限られ、同名カードの中で最適解となるカードだった場合はノーマルカードでも高値となる場合があるのです。
これを機会にカード同士を比較してみてはいかがでしょう。