ファイルNo.16 エヴォルブ!
プロローグ
ワトソン:ムムムムムム……
ホームズ:悩んでいるね。ワトソン君。
ワトソン:ムムムムムム……
ホームズ:君のバトルポケモンは私のグライオンのハリケーンショックの効果でマヒしてしまっている。このターンはできることがないよ。
ワトソン:……ふぅ。そうみたいだね。番を終わるよ。
ホームズ:では、私の番で再びハリケーンショックを使って……表が3回!君のヒスイゾロアークVSTARを気絶させるよ。前の番に与えたダメージがあるから、ノコッチが場に出ていて、弱点が消えていても関係ないね。
ワトソン:うーん。今度こそ!僕はベンチからバトル場に出したヒスイゾロアークVをヒスイゾロアークVSTARに進化……
ホームズ:あ〜、余計なお世話をひとついいかな、わが友。
ワトソン:なんだいホームズ?
ホームズ:君のヒスイゾロアークVは進化しないで、戦うことは想定していないのかな?
ワトソン:へ?なにを言い出すんだい、シャーロック。進化して戦った方が、進化しないで戦うよりも強いに決まってるじゃないか。
ホームズ:確かに基本的にはその通りなんだが、とかく相手が状態異常を使う場合はその限りではない場合があるぞ。
ワトソン:どういうことだい?
ホームズ:ポケモンが進化をすると、そのポケモンが受けていた効果や特殊状態は全てなかったことになるんだ。つまり、さっきのターン君がヒスイゾロアークVで戦っていれば進化することで状態異常を回復することができたし、今の番でも進化しなければ1度はマヒを回復するチャンスが得られたかもしれないんだ。
ワトソン:な、なるほど。完全に盲点だったよシャーロック。
ホームズ:特殊状態だけではなく、ヒスイゾロアークのはめつののろいやガラルヤドキングVのはめつのひとことも、進化でかわすことができるから要チェックだ!
ワトソン:きぜつしてしまう効果もなかったことにできるって、進化ってベンチに戻ると似ているね。〔ファイルNo.3 にげるは1度きりだが役に立つ〕
ホームズ:そうだね。ではここでクイズだ。
Mr.ホームズからの挑戦状
【Mr.ホームズからの挑戦状】
ゴルーグVのリワインドビームによってマヒ状態のヒスイゾロアークVSTARがヒスイゾロアークVに退化した。このときヒスイゾロアークVはマヒ状態か。
A. マヒ状態である
B. マヒ状態ではない
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挑戦状の答え
【挑戦状の答え】
B. マヒ状態ではない
ワトソン:数は少ないが、原作と違って退化という概念がポケモンカードゲームにはある。
ホームズ:ゴルーグVやジュペッタが代表だね。
ワトソン:退化でも進化と同じように、受けていた効果や状態異常を受け継ぐことはないんだ。相手から退化という効果を受けた場合、一緒に状態異常なども回復した。怪我の功名もあると考えよう。
まとめ
ホームズ:さて話は少し戻って、なぜ私のグライオンに対して、ヒスイゾロアークVSTARではなくヒスイゾロアークVで戦った方がいいのかということを最後におさらいしておこう。
ワトソン:それは、状態異常を回復できるからじゃなかったの?
ホームズ:もちろんそれもあるが、もう一度ページをスクロールしてグライオンとヒスイゾロアークVのカードをよく見てみるんだ。
ワトソン:ムムムムムム……
ホームズ:グライオンはHPが120。そしてハリケーンショックで与えられるダメージの最大値は200だ。一方ヒスイゾロアークVはHPが210でワザシャドーサイクロンで与えられるダメージは130点だ。このことから、ヒスイゾロアークVはグライオンを一撃で倒せるが、グライオンはノコッチの特性ふしぎなすあなの効果もありヒスイゾロアークVを一撃で倒せないんだ。
ワトソン:つまり、グライオンを相手にするだけなら、ヒスイゾロアークVSTARに進化する必要はなかったってことか。
ホームズ:そういうこと。
ワトソン:お互いのHPと出せるワザのダメージに注目することが重要ということだね。